収納情報

50歳からの整理収納~デジタル遺品~


50代というと、子供の手が離れてようやく自分の人生を謳歌できる年代ですね。
人生半分過ぎたところで、一度立ち止まって振り返るのもいい時期だと思います。
ここを何も考えずに通り過ぎると、親の介護が始まって自分のことは後回しになりかねません。だからこそ、50代には整理収納を始めて欲しいと思っています。

元気な50代60代は、デジタルも自由に使いこなす人が増えています。そんな中で話題になっているのがデジタル遺品。「パソコンの中に大量の写真がある」くらいなら可愛いものです。今は機械が自動で笑顔を読み取り、大量の写真データの中から「これ」と思われる物をチョイスしてフォトブックを作ってくれるサービスも始まりました。

問題なのは情報です。金融機関の情報は一番困るものでしょう。ネットバンキングが普及している今、PCや携帯で操作をしている人も多いはずです。リアル銀行があるならまだしも、店舗を持たないネットバンクも多いですね。当然パスワードをかけてサイバー攻撃から守っているはずです。では、家族はそのパスワードをご存じでしょうか?

いつどこで事故や犯罪にあうか分からない時代です。自分だけは大丈夫!と思っていませんか?最近地震や噴火も活発になっていますので、絶対はないのです。ぜひ自分の財産の管理を考えてみましょう。ファイナンシャル・プランナーでもある藤岡聖子は、エンディングノート講座では必ずお話しています。

《ある奥様のお話》
主人から、「財産は全てパソコンの中にまとめておいた。もし私に万が一のことがあれば、それを見れば我が家の資産はわかるようにしてある。」そう言われていました。だから安心していたのです。その万が一のことが起こってしまいました。お葬式が終わり、ではパソコンを開けようとしたら、開かないのです。パスワードがかかっていて、どうしても開きません。結局、自分の足で近隣の金融機関を回って歩きました。

せっかく奥様のために用意しておいた財産目録も、見ることが出来なければ単なる機械にすぎません。このようにパソコンにパスワードを掛けている方も多いと思います。いざという時に家族が分からないのでは意味がないので、家族の誰かに伝えておくとか、金庫を借りている又は持っている方は金庫に入れておくなどしておきたいものです。もちろん金庫のパスワードも同じことですが。この場合は、銀行に身分証明ができれば大丈夫でしょう。

それ以外にも情報はあります。会員サイトのパスワードです。家族がどこの会員になっているかは知らないと思います。自分でもたくさんの会員登録をしていて、パスワードが分からなくなりがちですよね。同じパスワードを使いまわしている方も多いようですが、それは盗んでくださいと言っているようなものです。それだけは止めておきましょう。

では大量のパスワードをどう管理すればいいのでしょうか。ノートに書き留めるのがシンプルで、家族も見つけやすいと私は思っています。クラウドに上げてしまう管理方法もありますが、そのクラウドは安心できるでしょうか。安心できるのであれば、いつでもどこからでもアクセスできるので便利なツールです。しかし研究者によれば、パスワード管理ツールは、なんらかの脆弱性を持っていると警告していますので気をつけましょう。

なぜ趣味の会員サイトが問題なのかというと、使っていないと思われるパスワードを用いて、悪意のある人間がなりすまして罪を犯すという危険があるからです。もしあなた自身で、以前は登録していたけれど今は使っていない会員サイトがあるのであれば、きちんと退会しておいた方がよさそうです。自分で把握していないものは、家族には絶対わからないのですから。

デジタルはとても便利なものです。本も書類もクラウドに上げてしまえば、いつでも読めるし、どこでも使えるので効率的です。その便利さを享受しながら、パスワードの重要性によって管理方法を変えるなどして保管していくことを考えてみましょう。頭の回転が良いうちにしておきたい整理収納の一つが、デジタル収納だと認識しておきたいものです。

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