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人口・世帯数のマクロトレンドは、中長期的に減少トレンド。 それでも、サービス拠点の拡大とともに、利用者も拡大中! 生活者の潜在的な需要に大きな期待。
日本の収納ビジネス及びセルフストレージ市場について、市場環境の視点から10回にわたってレポートします。 第1回 収納ビジネスとは? 第2回 人口・世帯数のマクロトレンドと収納サービスの利用者の拡大 第3回 住宅と収納ビジネス 第4回 「レンタル収納」と「コンテナ収納」 第5回 「レンタル収納」の市場トレンド 第6回 「コンテナ収納」の市場トレンド 第7回 不動産ビジネスとしての収納ビジネス 第8回 GISデータからみた収納ビジネス 第9回 生活者アンケート結果から見る収納ビジネス 第10回 今後の収納ビジネスの可能性
欧米の住宅と比較すると、日本の住宅は「狭い」と世間一般的に言われていると思います。世界各国の統計から住宅の広さを比較してみると、アメリカには圧倒的にかなわないものの、欧州各国と比較しても、劣等感を得るほどの差はないと読み取ることができます(※ただし、各国の統計による平均床面積の算出方法や新築のみ、住宅ストックの平均など比較する数字が異なっています)。 <各国の新設住宅の一戸当たり平均床面積>
日本の新築住宅の平均床面積のトレンドをみると、次のグラフのとおりとなっています。ある程度予想通りといえますが、注文住宅が最も大きく、次いで分譲戸建・分譲マンション・賃貸住宅となっていて、注文戸建と賃貸住宅では2倍以上の広さの違いがあります。時系列で広さのトレンドをみると、ほぼ横ばいで推移していることがわかります。もう少し古いデータと比較すれば、1住戸あたりの面積は広くなっていますが、近年では「より広く」というトレンドにはないものと思われます。要因としては、1住戸あたりに生活する世帯人数の減少(核家族化・少子化等)、広い1軒の土地を分筆して複数の新築住宅を建築・分譲する「ミニ開発」が都市部で増えていることなどが考えられます。 住宅ストック(中古住宅)も既に多く存在し、販売用・賃貸用ともに、様々な住居の選択肢が増えているため、新築住宅の「広さ」のトレンドは、今後も横這いで推移するものと考えられます(直近のトレンドは、消費税増税・建築コストの高騰により、ダウンサイズの方向に進むと考えられます)。
これも言うまでもなく、都市部が小さく、郊外・地方が大きくなっていると容易に推測することができます。注文戸建の1戸あたりの平均床面積のトップ5を、東北地方(日本海側)・北陸地方といった地域が占めています。一方、ワースト5は、東京・神奈川・京都は誰もが容易に想像できる都府県ではありますが、鹿児島・宮崎といった九州南部も意外とコンパクトな家づくりがトレンドとなっています。 賃貸住宅の1戸あたりの平均床面積のトップ5、沖縄・長野・奈良・大分・北海道とあまり関係性を見つけるのは難しいですが、ワースト5は、東京・神奈川・京都・埼玉・大阪と都市部の人口密集地域となっています。
<2012年新築注文戸建の平均床面積>
<2012年賃貸住宅の平均床面積>
(レンタル収納・コンテナ収納・トランクルーム) 住宅の広さのトレンドに、弊社がカウントした収納サービスの室数(貸出スペース数)のトレンドと見比べてみると、「2012年新築注文戸建の平均床面積」のトップ10の半分は、収納サービスのワースト10と一致した。逆に、「2012年新築注文戸建の平均床面積」のワースト10の半分は、収納サービスのトップ10と一致した。「2012年賃貸住宅の平均床面積」のワースト10の7割は、収納サービスのトップ10と一致したが、「2012年賃貸住宅の平均床面積」のトップ10とは、残念ながら1県しか一致しなかった。 このようにして、住宅の広さ/狭さという視点から、収納サービスのニーズを探ると、「居住面積が狭い」「賃貸住宅が多い」といったエリア、すなわち築年数の経過した(=古い)賃貸住宅の多いエリアで、収納サービスのニーズがあるという仮説がデータから読み解くことができます。 マクロに近い俯瞰したデータを使ってみましたが、人口の多い/少ないだけではなく、その街や地域が持っている「街顔」をみながら、収納サービスを考えてみてはいかがでしょうか。
<都道府県別収納サービス(レンタル収納・コンテナ収納・トランクルーム)の室数>
矢野経済研究所とは 様々なビジネス分野の市場規模、企業シェア、将来予測、メジャープレイヤーの動向等、マクロやミクロの視点から当該テーマを総合的に調査、分析。 成長を続ける収納ビジネス分野においてもいち早く着目し、2010年より徹底した取材に基づく詳細な調査レポートを供給。 従来、市場に関する情報の乏しかった収納サービスにおけるビジネスの将来性、ポテンシャル、課題を分析し、収納ビジネス業界の透明性向上に大きな貢献を果たしている。
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