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日本の収納ビジネス(レンタル収納・コンテナ収納・トランクルーム)及びセルフストレージ市場について、市場環境の視点から10回にわたってレポートします。 第1回 収納ビジネスとは? 第2回 人口・世帯数のマクロトレンドと収納サービスの利用者の拡大 第3回 住宅と収納ビジネス 第4回 「レンタル収納」と「コンテナ収納」 第5回 「レンタル収納」の市場トレンド 第6回 「コンテナ収納」の市場トレンド 第7回 不動産ビジネスとしての収納ビジネス 第8回 GISデータからみた収納ビジネス 第9回 生活者アンケート結果から見る収納ビジネス 第10回 今後の収納ビジネスの可能性
最も肝心なところなのですが、生活者のなかで「収納サービス」(コンテナ収納・レンタル収納・トランクルーム)といったものがどのくらい認知されているものと思われますか。 自宅以外にお金を払って「モノを預ける」もしくは「預ける場所を借りる」といった収納サービスの認知度は3割程度という結果になりました。 細かなサービスの違いなどの認知は除いても、もっと多くの人に知ってもらうことが収納ビジネスの市場拡大につながると考えられます。 このレポートを読んでいる「使ったことがない」あなたは、まずはモノを預けてみましょう。もしくは、「使ったことがある」あなたは、近くのヒトに収納サービスについて話してみましょう(できれば勧めてみましょう)。 「mottainai(もったいない)」という言葉が世界的に広がるなど、モノに対する日本人の価値観のようなものが評価されたりしています。だから、身近な人も意外と貯め込んでいるものがあったりします。そんな話題から、一人で借りるのではなく、今はやりの「シェア」をして借りてみてもいいかもしれません。 今までとは違ったライフスタイルがみえてくるかもしれませんよ。
首都圏で約1万サンプル・その他地域で約1万サンプルに、各種収納サービスについて、サービス名称の認知及び利用状況をアンケート調査しました(2013年7月調査)。 収納サービスの認知は、「名前をきいたことがある」までを含めると、おおむね7割以上の方の認知があるが、トランクルーム・レンタル収納スペース・コンテナ収納という3種類の「サービスの内容を知っている」という認知になると、3割程度に留まっています。この時点のアンケート設問では、それぞれのサービス名称とサービス内容を詳細に説明していないため、生活者には「収納サービス=トランクルーム」という認識の多いことが推測できます。また、現在進行形で利用をしている人及び過去に利用したことがある人の割合の合算値は、トランクルーム7.5%、レンタル収納6.0%、コンテナ収納6.4%となりました。(図表1) 現時点で、実際に収納サービスを利用している割合は、3つのサービスをあわせても2%にも満たない状況です(ほとんど重複回答はいませんでした)。家の内外に収納スペースが少ない首都圏では、その他地域と比較すると倍近い利用率がありますが、それでも2%強程度です(図表2)。
この調査結果からみえてくるものとしては、“サービス内容の違いはわからないが、収納を借りられるサービスがあるのは聞いたことがある”という状況がいずれの収納サービスに対してもいえます。ロードサイドなどで収納スペースの広告宣伝エリアが拠点数の増加とともに増えていることから、収納スペースを借りることができるということは周知されつつあり、利用率の面ではまだまだ発展途上段階ではあるものの、着実にニッチなニーズを掴んでいるものとみられるが、利用者側となる生活者に対しては、収納サービスの違いやそもそも種類があるということ自体が浸透していないものと考えられます。
1.「トランクルーム」のサービス内容の認知状況 トランクルームの認知・利用に関わらず、全サンプルに対して各種のトランクルームサービスの特徴的なサービス内容について、認知状況を確認しました。 細かなサービス内容について『知らなかった』という回答が上回っています。「荷物を預けるサービス」だという認知度についても、半数以下の認知状況となっています。
2.「レンタル収納スペース」のサービス内容の認知状況 レンタル収納スペースの認知・利用に関わらず、全サンプルに対して各種のレンタル収納スペースの特徴的なサービス内容について、認知状況を確認しました。 トランクルーム同様、細かなサービス内容について『知らなかった』という回答が上回っています。「収納場所を借りること」「荷物の責任は自己責任であること」の二つの認知度は3割程度に到達しているが、「セキュリティー」や「品質管理が優れている」点の認知度は2割以下の低い水準となっています。 <図表4 レンタル収納スペースサービスの内容認知状況>
3.「コンテナ収納」のサービス内容の認知状況 コンテナ収納の認知・利用に関わらず、全サンプルに対して各種のコンテナ収納の特徴的なサービス内容について、認知状況を確認しました。 トランクルーム・レンタル収納スペース同様、細かなサービス内容について『知らなかった』という回答が上回っています。「収納場所を借りる」サービスであるとの認知度は3割以上となっています。
現状認識した上で、これから「収納サービスを利用するならば、どのような項目を重視するか」について確認したところ、上位3項目は「月額の金額が安いこと(82.9%)」「住まいの近くにあること(72.4%)」「セキュリティーが整っていること(38.3%)」となっています。居住スペース外に収納場所を設ける以上、床面積増床分の家賃より安い金額、利便性が確保できる距離感、安心して収納できることの3点は、利用者だけでなく事業者側としても重視していきたい点である。 この上位項目は、利用経験者と未経験者を比較しても同様であり、大きな差は出ていません。ただし、利用経験者の“重要なこと1番目”として「住まいの近くにあること」が約5割であるのに対して、未経験者の“重要なこと1番目”と“2番目”が約4割前後で「住まいの近く」と「月額料金」が挙がっています。利用経験者については、比較的月額料金に対する妥当感を見て取ることができるが、未経験者が新規で利用するかどうかを検討する上では、まだまだ月額料金がネックになっていると考えられます。
現時点で収納サービスは、まだまだ「収納サービスが必要なヒトのためのサービス」に納まっています。必要だと思う人は、インターネットを活用して収納サービスを活用しています。しかし、多くの人がなんとなく収納サービスというものがある程度の認識しかなく、どうやって「活用」すればいいのかがわからないというサービスに留まっています。したがって、現状を打破するためには、自宅以外の収納サービスを利用するライフスタイルを提案し続けることが必要になってきていると思います。
矢野経済研究所とは 様々なビジネス分野の市場規模、企業シェア、将来予測、メジャープレイヤーの動向等、マクロやミクロの視点から当該テーマを総合的に調査、分析。 成長を続ける収納ビジネス分野においてもいち早く着目し、2010年より徹底した取材に基づく詳細な調査レポートを供給。 従来、市場に関する情報の乏しかった収納サービスにおけるビジネスの将来性、ポテンシャル、課題を分析し、収納ビジネス業界の透明性向上に大きな貢献を果たしている。
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