トランクルームマーケット情報

トランクルームの更なる認知拡大へ 広がる異業種提携による新たな取り組み

成長産業に新たな動き

成長産業と言われるトランクルーム業界であるが、最近新たな動きが見られる。異業種企業との提携だ。なかでも業界最大手のキュラーズは、2012年より積極的に提携を進めている。
では、どのような企業と提携を行っているのか? その狙いとは? 今回は異業種提携を推進しているキュラーズの法人営業チームを取材した。

キュラーズ トランクルーム 成長産業に新たな動き

福利厚生サービス会社との提携で1,000万人超へアプローチ

異業種提携には様々あるが、その中で特筆すべきものが福利厚生サービス会社との提携だ。
福利厚生サービス会社とは、福利厚生を持たない中小企業と契約し、さまざまな福利厚生サービスを提供する企業である。その内容は、たとえば旅行をする際に優待が受けられたり、ショッピングをする際割引が受けられるといったものだ。トランクルーム会社との提携では、もちろんトランクルーム利用料が割引になる。優待内容は、会員に配布されるパンフレットやホームページでしっかりと告知される。
キュラーズでは、福利厚生サービス会社の大手各社と提携した。ここで注目したいのが会員数。各社を合わせると合計1,000万人を超える。つまり、これだけの人数に対して、キュラーズのサービスを告知できるということになる。

キュラーズ トランクルーム 福利厚生サービス会社との提携で1,000万人超へアプローチ

運送会社との提携は、利用者へのサービスとして

次に注目したいのが、運送会社との提携だ。
トランクルームを利用する際、荷物が多い場合は引っ越し業者を利用する場合がある。そんな顧客へのサービスとしてスタートした。キュラーズの場合、顧客は運送料金の20%の割引が受けられる。これにより、キュラーズにとって顧客サービスの拡充となる。もちろん運送業者にとっても業務拡大となるため、三者それぞれにメリットがある。
現在サカイ引越センターとの提携のみであるが今後、提携先を増やす予定なのだそうだ。

キュラーズ トランクルーム 運送会社との提携は、利用者へのサービスとして

不動産会社の新プロジェクトに参画

家の中の荷物を収納するトランクルームであるから、不動産会社との提携は必然であったのかもしれない。伊藤忠都市開発では、「ヒ・コ・ス」という新プロジェクトを立ち上げた。この「ヒコス」に参画したのがキュラーズだ。
「ヒ・コ・ス」は新しいマンションに引っ越す人へのサービスである。その一つとして、収納アドバイザーがお部屋の収納の相談に乗ってくれるというものがある。部屋を見て「これは捨てましょう」「これは新居へ持っていきましょう」、そして「これはキュラーズへ保管しましょう」などとアドバイスしてくれる。ここでキュラーズの利用が発生する。
また、引っ越し前の顧客にアプローチすることで“つなぎ利用”のニーズもキャッチできる。“つなぎ利用”とは、今住んでいる家の退去日が、新居への入居可能日より早い場合、空白の期間ができてしまう。この期間にキュラーズに保管してもらおうというものだ。大抵2ヶ月程度の利用になるが、キュラーズの便利さを知ってもらい継続利用に繋がることも少なくないのだそうだ。

キュラーズ トランクルーム 不動産会社の新プロジェクトに参画


誰もが知る大企業との提携も

大企業は自社で福利厚生を持っている。しかし、その内容に完全に満足しているわけではない。大手各社は、福利厚生の一つとしてキュラーズを取り入れた。これは、伸びゆくトランクルームのニーズを感じた各企業担当者が、従業員向けのサービスメニューの一つとして採用した結果である。
キュラーズにとっては、多くの社員にアプローチできるばかりでなく、トランクルーム産業の認知拡大につながるといったメリットがある。各社の社員はキュラーズを割引で利用することができるのだが、リリース後の反響は予想を上回るものとなった。

まだまだ広がる提携の可能性

さまざまな企業と提携しているキュラーズだが、今後も提携を進めていく考えだ。
たとえば、カーシェアリング会社と提携し会員に向けてPRしていったり、逆にキュラーズの利用者にカーシェアリングを斡旋する計画もある。荷物の搬入出には車が便利だが、車を持っていない人にとっては、6時間単位などとなるレンタカーより、15分単位などで気軽に使えるカーシェアリングが便利である。これ以外にも多様なニーズに応えるサービスを展開していく。

業界における異業種提携の今後の展望

トランクルーム業界全体を見てみると、現状は運送業者との提携が中心である。各社とも、様々な業種と提携することが求められるのではないだろうか。トランクルーム業界の外に目を向け異業種提携を進めることで、他のサービスから顧客を拾い上げることができる。ここに、各社の成長のポテンシャルが秘められているのである。今後各社の成長において、異業種提携がひとつのポイントとなってくるのは間違いないことであろう。

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