お片付けしてもリバウンドしてしまう…その原因と解決方法
整理収納アドバイザー/お部屋と心のカウンセラー
中山真由美(なかやままゆみ)
日本テレビの「深イイ話」やNHK「あさイチ」にも出演した、今注目の整理収納アドバイザー。
その他テレビ・雑誌にも多数取り上げられ、収納セミナーの講師やマンションの間取り提案・監修までもを行う収納のプロ。
整理収納のプロ 中山真由美の片付け・整理・収納特集
頑張ってお片付けをして快適なお部屋になっても、一週間、一か月と日が経つにつれて元の散らかった状態にリバウンドしてしまう…。そうなるのには、原因があるんです。
時間と手間をかけて片づけても元にもどってしまうのはなぜ?
「整理収納アドバイザー」としてお仕事を始めてはや10年。その間にお片付けに伺ったお宅やオフィスは、1500軒以上にもなります。
「自分ではどうしていいかわからないので」と呼んでいただくお客様も多いのですが、セミナーにご参加いただいたお客様の中には「何度自分で片づけても、すぐ散らかった部屋に戻ってしまうので、アドバイスが欲しい」というお客様もとても多いです。一緒にお片付けを進めるうちに、リバウンドしてしまう方のお片付けには、以下のような特長があることに気づきました。
あなたがリバウンドする原因、この中にありませんか?
1.「収納スペースの中のものを全部出さずに片づけている」
しまっていたものをすべて出すのはおっくうですし、全部出さなくても片づけられるのでは?と考える方は多いです。全て出さずに目の前のモノだけを要不要に分けてしまうと、「時々使っていたモノ」を捨ててしまう可能性があります。実は、収納の奥にこそ本当に使わないモノが眠っているのです。「あれは必要だったのに…捨てなければよかった」と、その後のお片付けにブレーキがかかってしまいます。リバウンドを防ぐには、全てのモノを一度把握する事が大切です。
【リバウンドしないためには】お片付けをすると決めたら、すべてのものを出して要るものと要らないものを分けましょう。そしてそこを片づけ終わるまでは、他のところに手を出さない。すべて出す習慣をつけるために、最初はお財布など小さなところから始めてみてください。すべてを出して、それらを整理した後のスッキリ感を味わうことができますよ。
2.「とりあえず、で片づけている」
お片付けは捨てること、だと思っている人は多いです。一番大切なのは、不要なものを捨て、必要なものを種類毎や人別などに分類し、更に使用頻度に分けて収納することなのです。これができていないと、空いている隙間にモノを突っ込むという収納になりがち。こうなるとかえって使いづらくなり、よく使う物を遠くまで戻さなければ行かなければいけない、不便な収納になります。結果置きっぱなし、出しっぱなしの部屋になってしまいます。
【リバウンドしないためには】捨てる前に、自分が部屋のどこで何をよく使うか、使用頻度を確認し、行動動線に合った収納計画を立てることが大事です。戻す時にストレスを感じない場所にしまうのがベストです。モノが帰る場所を決めることを「定位置管理」と言います。これができるようになると、出しっぱなしは激減します。ただそれを見極めるのは、なかなか大変です。手当たり次第にやるのではなく、まずはお片付けセミナーに参加したり、整理収納の本を読んだり、初回だけお片付けのプロにお願いするのもいいかもしれません。
3. 間違った収納グッズを選んでいる人
お店にはさまざまな収納グッズが売っています。どれも便利そうで欲しくなりますが、何をどのように、どこに収納するかを決める前に買ってしまうと、かえって部屋が散らかる原因になります。「とりあえず100均グッズを買ってしまう人」もこのグループです。お安いからと、寸法や用途を考えず、目についたものを買ってしまうと、家の収納サイズに合わず、結局ゴミになってしまいます。
【リバウンドしないためには】収納グッズと言っても種類は色々。ふた付きのカゴがよいのか、ファイルボックスを複数買うべきなのか、引き出しなら何段のものがいいのか…。自分の持ち物と数量を確認してから必要なグッズの見当をつけ、必ず寸法も測って買いに行きましょう。行って迷ったら、その時は買わず、家に帰って確認する勇気も大事。再確認して、本当にぴったりなものを見つけたほうが、結果的には早く整理できます。
4. 収納スペースの容量を超えたモノを持っている
収納スペースには限界があります。いくら整理して収納しても、ギチギチにつまっていては取り出しにくいですし、戻す時もぎゅうぎゅうの中に戻すのは大変なので、つい出しっぱなしになります。
【リバウンドしないためには】購入する時に、本当に必要なものなのか再チェックを。モノが出しやすく戻しやすい量は、収納スペースにモノを7割までにとどめた状態です。10割では詰め込み過ぎです。スペース内のものをすべて出して、まず3割減らしてみましょう。どうしても捨てられない場合は、「迷いボックス」を作って外部のトランクルームなどに移動し、半年後位に再確認を。無理に捨てなくても、こうして見直すことで「意外にいらなかったな」と冷静な判断が下せることも多いです。
5. 細かいモノの分類にラベルを貼らない
「見た目が美しくない」「自分でしまったモノだから覚えていられるから、ラベルは必要ない」と、片付けが済んだ瞬間は思いがちです。でも人間は忘れる生き物。二週間もたつと入れるものが混ざってきます。またラベルがないと、新しい収納場所がわからない家族が決まった場所に戻せず、リバウンドしてしまうことが多いのです。
【リバウンドしないためには】片づけが完了したときには、必ずラベルを貼りましょう。家族全員が、決まった場所に決まったものを戻せるようになることが重要です。最近はおしゃれなラベルがたくさんあります。テプラ(左)や可愛いマスキングテープで手作りするのもよいですが、(右)のようにおしゃれなラベルを使うのもおすすめです。私もこのメーカーのボトルを購入するか検討中です(笑)。自分のお家に合った、インテリアの一部になるような可愛いラベルを選ぶと、見た目も美しい、使いやすい収納になりますよ。
一番のコツは「頑張り過ぎず楽しむ事」「少しずつ片づけクセをつける」こと
片づけるクセって、一朝一夕にはつけられないものです。ダイエットと同じで、一気にやろうとすると失敗してしまいます。お片付けもストレスになってしまうと、リバウンドしてしまいます。
「今日はキッチンだけ」「季節の服を入れ替える時に、要らない服だけ見直そう」そんなふうに少しずつお片付けを始めてください。はじめから100%を目指さず、30%くらいから始めるので十分です。その30%が心地よい空間になることで、その快適な空間をもっと広くしていきたくなるのです。
どのような暮らしがあなたの部屋でしたか? それを考えてから片付けをしてください。部屋の最終形をイメージしながら片付けると、挫折したり、リバウンドしたりせずに、使いやすく心地がいいお部屋になるでしょう。