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一口に駐車場といってもさまざまなスタイルがあります。まず基本的なところですが、時間貸しにするか月極めの二通りがあります。次に駐車場の形態ですが、大きく分けて自走式と機械式があり、自走式は平置きと立体の二通り、機械式にはエレベーター式や観覧車式など多くの種類があります。そして運営手法ですが、オーナー自身がするのか、あるいは業者に委託するのかという選択肢があります。 このなかで最も一般的な経営スタイルは、「オーナー自身が運営する自走式平置きの月極め駐車場」でしょう。平置き式は地面にラインを引き、出入り口を確保すれば駐車場として充分に機能します。時間貸しのような設備も不要なためイニシャルコストが低く、ランニングコストもほぼ不要。駐車料金を振り込みにすれば、オペレーションはほとんどいりません。 しかしこの経営スタイルは毎月の賃料が決まっているため、収入はやがて頭打ちとなってしまいます。オーナーから利用希望者へ営業をかける機会は全くといっていいほどなく、いわゆる待ちの営業になるため空室も長期化しやすくなります。また他の駐車場との差別化が難しいため、賃料も近隣の相場に縛られがちになります。より多くの収益を確保したいのであれば、ここは時間貸し駐車場を選択肢に入れておくべきでしょう。
時間貸し駐車場の最大のメリットは、利用者が増えれば増えるほど収入も増えるというところにあります。単純計算ですが、1時間300円で貸すと1日12時間の利用で3600円。1ヶ月では10万円以上の収入となります。東京23区内の月極め駐車場の平均料金は3万5000円ほどといわれていますので、その差は歴然です。利用者が増え、さらに料金設定を上げることができればかなり高効率なビジネスとなり得る可能性があるといえるでしょう。 もちろんデメリットもあります。そのひとつがイニシャルコストとランニングコストで、規模にもよりますが自動ゲートや料金支払機などの設置コストは数百万円にのぼり、ランニングコストもかかります。有人管理であればイニシャルコストは抑えられますが、今度は人件費がかかります。不特定の車両が常時出入りするため事故やトラブルが発生する頻度も増大し、利用促進のための営業活動やこまめな料金設定なども行わなくてはなりません。そのオペレーションは、月極めとは比較できないほどの量となります。 そのため、時間貸し駐車場については専門業者への運営委託が主流となっています。契約にもよりますが賃料は固定が一般的で、それでも月極め駐車場とより多くの収入を得ることも可能です。また昨今では月極めやカーシェアリングなどと組み合わせた複合経営や、駐車場の上部空間に簡易的な建物を設置して賃貸経営をすすめる業者もおり、その経営スタイルは多種多様になってきています。 駐車場だからといって情報収集を怠っていると、収益増大のチャンスを逃す事になるかもしれません。
不動産ビジネスライター 久保純一 氏 不動産専門紙などで専属記者として、不動産ビジネスの最前線を長年にわたり取材。徹底した現場主義による、綿密な取材に基づいた記事には定評がある。独立後、不動産ビジネスにまつわる豊富な知識、経験を元に、現在は不動産経営者向け専門紙、物流不動産ビジネス誌、経済誌、専門サイトなど幅広いフィールドで活躍中。
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