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シェアリングエコノミーという言葉は、SNSが生んだといっていいでしょう。具体的には、持ち主があまり使っていないものを(家や車、場合によってはスキルも)ソーシャルメディアを通じて貸し出すというもので、同乗できる自家用車を探せるUberや、自宅に宿泊したい人を募集できるAirbnbなどはその代表格。話題になっている民泊などもシェアリングエコノミーの一種です。端的にいえば、余っている(使われていないあるいは余裕がある)ものの所有者と、それを使いたい人をマッチングすることで収益化を図る仕組みを意味しています。業者が保有するものではなく、個人が保有するものを短時間だけレンタルできるという点と、SNSをはじめとするソーシャルメディアがそれを可能にしたところに新しさがあります。
当初は無駄を減らすという点に主眼が置かれていましたが、ビジネスとして成り立つことがわかるとそれに専従する人々がでてきます。不動産でいえば保有する住宅に客を泊める「民泊」で収益を挙げている事例がこれにあたります。空き家を宿泊施設として貸せるのですから実に魅力的な空室活用ですが、実は民泊は今のところ一部を除いてグレーゾーンで、違法と判断される可能性が多く残っています。すでに国会では法改正を視野に入れた議論がはじまっているので、その結論を待ったほうがいいでしょう。 もうひとつ、不動産を活用できるシェアリングエコノミーが「場所」の時間貸しです。これはビルでもマンションでも一軒家でも、とにかく空いているスペースを空いている時間だけ貸してしまおう、というビジネスです。営業時間外の飲食店や寺院、駐車場に屋上、庭、オフィス内まで、貸せないところはないといって過言ではありません。言い換えれば、収益化できないところはないということ。用途も多彩で、会議にイベント、パーティー、展示会にロケーション撮影と、これも何でもあり。ふさわしくない使い方にはNGをだせるので、トラブルの心配もありません。物件紹介・募集から受け付け、料金の授受まで専門のサイトでやってくれるので、手間も不要です。保有する物件を登録するだけで収益物件に変えることができるといっていいでしょう。 ただし賃貸と同様、すぐに収益化できるか否かは、物件が魅力的か否かと同義といっていいでしょう。最近は魅力的な内装と充実した設備を備えた時間貸し専用のスペースも増えてきており、目的別の差別化が必要になってきています。募集中の賃貸物件であれば、汚れや傷がつくリスクもあります。どんな人がどんな目的で借りてくれそうか。より多くの収益を目指すのであれば、やはりニーズの読み込みは必須なのです。
不動産ビジネスライター 久保純一 氏 不動産専門紙などで専属記者として、不動産ビジネスの最前線を長年にわたり取材。徹底した現場主義による、綿密な取材に基づいた記事には定評がある。独立後、不動産ビジネスにまつわる豊富な知識、経験を元に、現在は不動産経営者向け専門紙、物流不動産ビジネス誌、経済誌、専門サイトなど幅広いフィールドで活躍中。
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